ジャガイモ x サトイモ 混植

~混植でスペース最大活用~
はじめに
畑のスペース、もっと有効に使えないかな? そんな方におすすめなのが「ジャガイモとサトイモの混植」です。ジャガイモは3月に植え付け、5月には収穫。そのタイミングでサトイモを植えれば、空いたスペースをムダなく活用できます。さらに、ジャガイモが育つことで土の湿度が保たれ、乾燥が苦手なサトイモの生育も促進されるという相乗効果も!
今回は、ジャガイモとサトイモを一緒に育てるメリットや、実際の栽培方法について詳しくご紹介します。限られたスペースを賢く使って、収穫量をアップさせましょう!
- 畑のスペースを有効活用したい方
- 家庭菜園で効率よく作物を育てたい方
- ジャガイモやサトイモを育ててみたい方
- コンパニオンプランツに興味がある方
- 収量を増やしたい方
- 初心者でも実践しやすい栽培方法を知りたい方
効能
ジャガイモ と サトイモ の混植は、空間利用・生育促進に効果があります。
空間利用
サトイモは成長すると葉が大きく広がり、一株あたり約50cm²のスペースが必要になります。しかし、種イモを植えた直後はまだ小さく、畑に余裕がある状態です。せっかくのスペース、何か有効活用できる方法はないでしょうか?
そこでおすすめなのが、ジャガイモとの組み合わせです。3月の寒い時期にジャガイモを植え、もう少しで収穫の時期を迎える5月にサトイモを植え付ければ、畑のスペースを無駄なく活用できます。これなら限られたスペースでも効率的に作物を育てられます。
生育促進
サトイモの育成で重要なのは、土壌の乾燥を避けることです。サトイモは乾燥に弱い植物なので、湿度を保つことが必要です。そのため、ジャガイモの畝の間に植えると、水分が保たれやすくなります。サトイモの植付け適期は5月で、約2週間後には芽が伸び始めます。

栽培方法
栽培方法について解説します。
栽培カレンダー
温暖地の栽培カレンダーになります。

品種
ジャガイモ、サトイモ共に品種は選びません。
土づくり
ジャガイモは、3週間前に耕しておきます。つねに野菜づくりをしている畑の場合は肥料を施す必要はありません。また、そうか病に発症するリスクが高まるため石灰も施しません。
※そうか病とは、イモの表面がかさぶたみたいになる症状です。
ジャガイモの植付け

春ジャガイモ
種イモが小さい場合は、そのまま利用しますが、大きい場合ストロンと頂芽から切り分け、40~60g程度の大きさになるようにます。このとき、ストロン部分を切り取っておきます。これにより、イモ内のホルモンバランスが変化し芽が急激に伸びるようになるためです。

植付けの際は、ジャガイモの切り口を上にして逆さ植えします。通常は根を上に向けて植え付けますが、芽を下に向けることで弱い芽は淘汰され強い芽のみ生き残るため、後に芽かきをする必要がありません。また、ほどよいストレスを与えることで病害虫や気候の変化に強くなります。
土寄せ
ジャガイモが成長すると地上に出てきます。そのまま日光に当てると、緑色に変色し有毒物質ソラニンがでてくるので土寄せをします。
草丈20cmで1回目の土寄せをし、2週間後、再び土寄せをします。
サトイモの植付け

ジャガイモの2回目の土寄せの時期にあわせて、サトイモ植付けをおこないます。植付けはサトイモの太い方を上に向けて、5~7cmほど土で覆うようにします。
ジャガイモの追肥
ジャガイモは追肥の必要ありません。
ジャガイモの収穫、サトイモの土寄せと追肥
ジャガイモは、地上部が枯れたらイモを掘り上げます。

ジャガイモの収穫が終わったら、畝を崩し、谷側に植えているサトイモの株元に土寄せと追肥をおこないます。追肥は、ぼかし肥料を200g/m2施します。
サトイモは、梅雨が長くジメジメした日が続くと良く育つと言われるくらい湿った土を好みます。土が乾かないように敷きワラや草マルチをおこないましょう。

サトイモの収穫
11月の初旬から中旬の霜が降りる前に収穫します。
種イモとして利用したい場合は、親芋を保管しておくことをおススメします。親芋は貯蔵養分が多いので、生育旺盛で収量アップにつながります。

終わりに
ジャガイモとサトイモの混植は、畑のスペースを無駄なく使えるだけでなく、サトイモの生育を助ける効果も期待できる栽培方法です。ジャガイモの収穫後にサトイモを育てることで、効率よく作物をリレー栽培でき、限られたスペースでも収穫量をアップできます。
「もっと畑を活用したい!」「サトイモを元気に育てたい!」という方は、ぜひこの方法を試してみてください。自然の力をうまく利用しながら、楽しいガーデニング&家庭菜園ライフを満喫しましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
少しでも参考になってもらえると嬉しいです。
参考文献
有機・無農薬のおいしい野菜づくり
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。
コンパニオンプランツの野菜づくり
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。