菌ちゃん農法の畝をつくろう①

はじめに
菌ちゃん農法とはどんな農法と思いますか?
菌ちゃん農法とは、炭素循環農法を応用した「吉田俊道先生考案」の農法で、自然農法の一つです。
炭素循環農法とは、効率よく炭素資材を投入して糸状菌やさまざまな細菌を増やして土づくりをおこないます。
肥料(ふんシリーズ)、油かす、米ぬか、化学肥料等、慣行農法で使用する肥料と呼ばれるものは、菌が増えなくなるのでいれません。
なぜ?と思われた方は過去の記事をご覧ください。
菌ちゃん農法の肝は畝づくりにあり、自然農法が誰でも再現できるように大きさが数値化されていて分かりやすいです。
図や写真が多く、とてもわかりやすく解説されています。ぜひ、お手に取ってご覧ください。
今回は、菌ちゃん農法の畝を作ってみましたのでご紹介します。
この記事をみて少しでも自然農法に興味を持ってもらえたら幸いです。
必要な物、資材集め
必要な物
- 鍬
- シャベル
- ビニールマルチ幅95cm(理想幅180cm)
- マルチ押さえ(通称:トンボ)
- 炭素資材
- 巻き尺
- 紐と棒
- 鍬、シャベル
-
畝立て、排水溝を作るために使用します。
- ビニールマルチ(黒)
-
吉田俊道先生は180cm幅がベストですが、価格がお高い。(200m 6000円程度)
菌ちゃんファームで10mで通販しています。
こちら
筆者は、一般的な95cm幅のビニールマルチで代用しています。
価格を抑えたい方はダイソーで95幅 5mが100円で販売してますよ。
- マルチ押さえ
-
マルチが風であおられたりする為、抑える幅が広いものを選びましょう。
(通称:トンボと呼ばれています。) - 炭素資材
-
下記の内、1点以上を入手
- 落ち葉
- もみ殻
- 木片
- 雑草(イネ科だと長持ち)
- 竹 (1~10cmに砕いたもの)
半年ほど雨ざらしになっていて、白カビや糸状菌がついているものを用意します。
近所の土手や林、公園などでほどよいものを拾ってこれれば経済的です。
炭素資材の分量は、畝の上に乗せて7~8cmの層になるくらい。
もみ殻は、購入するとそれなりの値段が採られます。近くにカントリーエレベータがあれば無料GETできるかもしれません。
興味があればご覧ください!
- 巻き尺
-
畝の大きさを計測するために使用します。
- 紐と棒
-
畝の4つ角に棒を立て、紐を張ることで目安を作るために使用します。筆者はビニール紐と、折れてしまった支柱(50cm位のもの)利用しています。
必須ではないが用意しておいた方が良い物
- レーキ
- 炭
- 有機石灰
- 丸太、小枝
- レーキ
-
畝の上を平らにするために使用。あると便利です。
- 炭
-
10cm以下の破片だと土にすき込みやすいです。細かい穴が無数に開いているので、菌の住みかになります。
- 有機石灰
-
酸性土壌の場合は土にすき込んでおくとみます。カルシウムやミネラルの補給のため土にすき込みます。
- 丸太、小枝
-
直径10cm以下の丸太で白カビや糸状菌がついているものを、土の中に入れます。
すると、菌が時間をかけて消化するため、エサが長持ちします。細かい枝は即効性があり、太いものはじっくり、ゆっくり効きます。
合わせて入れておくと良いです。
近所の林で拾った枝
畝をつくろう
全体の流れ
- 場所を決める
- 副資材投入
- 排水溝づくり、畝立て
- 炭素資材乗せ
- 土をかぶせる
一雨あてて畝に水をしっかり吸わせる
- 畝を形を整える
- マルチをはる
- 重りをのせる
2~3か月後、糸状菌がでていれば植付けできます。
畝立て1日目
畝の幅が130cm、排水溝が左右に40cmあるので計210cmの幅を確保します。畝の長さはお好みで大丈夫です。
そして、菌ちゃん畝は排水溝を重視しています。なぜでしょうか?
答えは、糸状菌は好気性の菌です。水があり過ぎると窒息して死んでしまうためです。

炭や石灰を土にすき込む場合は、この段階ですき込みましょう。丸太や、小枝を入れる場合は畝の端に並べます。
丸太や小枝は菌のエサとなりますが、長くて10年エサの追加が必要なくなります。


溝を作り始める前に畝130cm幅に紐を張っておくと、綺麗に畝を作ることができます。
後工程でビニールマルチを隙間なく張れるようにするため、畝を綺麗に作るのは重要です。


排水溝を掘りながら土を盛っていきます。溝から畝の上部までの高さが45cmになるように盛ります。
排水溝は水が出口に流れるのを意識して、平らにするようにします。
畝サイドの角度は70度程度の台形にして、上部は平らに慣らします。
この作業がしっかりできていると後工程が楽になります。
畝の上に満遍なく炭素資材を載せます。
もみ殻の場合は畝の上に7~8cmの厚さになるよう均等に敷きましょう。
落ち葉など空間が多いものを敷く場合は、上から手で押して、7~8cmの厚さになる量を目安とします。
湿っていて白カビや糸状菌が付いているものだと土の発酵が早く進みます。


炭素資材をの上に土を5cmほど土を被せます。
落ち葉など空気が入り空間が多すぎると菌糸が伸ばしづらくなるので、少し多めに土を載せます。
逆に隙間が少なすぎると、菌が呼吸できないため発酵が遅れてしまいます。


畝に水を吸わせるため雨を待ちます。
まとめ
菌ちゃん農法とは?
菌ちゃん農法は、吉田俊道先生が考案した炭素循環農法を応用した自然農法です。肥料を使わず、炭素資材を活用して微生物の力で土を育てます。
必要な資材
基本の道具と資材
- 鍬・シャベル:畝立てや排水溝作りに使用。
- ビニールマルチ(黒):180cm幅が理想、95cm幅も可。
- マルチ押さえ(トンボ):マルチの固定用。
- 炭素資材(落ち葉、もみ殻、木片、雑草、竹など):菌のエサになる。
あると便利なもの
- レーキ:畝を平らにする。
- 炭:菌の住処。
- 有機石灰:土壌の中和とミネラル補給。
- 丸太・小枝:長期間菌のエサになる。
畝づくりの手順
1日目の作業
- 場所決め:畝幅130cm、排水溝を含め210cm確保。
- 副資材投入:炭や石灰をすき込み、小枝・丸太を配置。
- 排水溝&畝立て:溝を掘り、土を盛り高さ45cmに。台形(70度)を意識。
- 炭素資材を乗せる:7~8cm厚で均等に。
- 土をかぶせる:5cmほど覆い、適度な空間を確保。
- 水分を吸収させる:雨を待って水を吸わせる。
次回予告
「菌ちゃん畝の仕上げ」について詳しく解説します!
最後までご覧頂きありがとうございました。