ナス x ショウガ 混植

はじめに
家庭菜園で「ナス」と「ショウガ」を一緒に育てると、お互いの成長を助け合い、病害虫の被害を減らし、さらにはスペースを有効活用できるって知っていますか?ナスは地中深くから水を吸い上げ、ショウガはその日陰を活かして快適に成長。まさに相性抜群のコンパニオンプランツです!
この記事では、ナスとショウガの混植のメリットや具体的な育て方、収穫までのポイントを初心者の方にも分かりやすく解説します。これを読めば、あなたも効率よくナスとショウガを育てられるはず!さっそく始めてみましょう。
こんな方に読んでもらいたい
- ナスやショウガの栽培に挑戦してみたい方
- コンパニオンプランツに興味がある方
- 害虫対策に悩んでいる方
- 栽培エリアを効率的に使いたい方
- 有機栽培に興味がある方
- 混植することでの効能を知りたい方
- 混植する方法を知りたい方
効能
ナス と ショウガ の混植は、生育促進・病気予防・害虫忌避・空間利用に効果があります。
生育促進
お互いに必要とする養分が異なるため肥料の過剰被害が出にくい特徴があります。
土の中の有機物は、分解が進むとアンモニア態窒素から、硝酸態窒素へ変化していきます。アンモニア態窒素はショウガ、硝酸態窒素はナスが好むため、ショウガの後にナスが養分を利用する形となり、肥料の過剰被害がでにくくなります。

病気予防
ショウガの辛味成分は殺菌効果があり、土壌の病原菌を減らすため、ナスが病原菌に侵されにくくなります。
害虫忌避
ナスはフキノメイガ、ショウガはアワノメイガの幼虫が食害しまが、混植すると、お互いを忌避し合うため成虫が産卵に飛来しにくくなります。
空間利用
ナスの株の間にショウガを植えると、互いに競争せず、スペースを効率よく使えます。
まず、水分を保持しやすくなる点がメリットです。ナスは根を深く伸ばし、ショウガの根は浅いため、ナスが地中深くから水を吸い上げることで、ショウガも水分を得やすくなります。
さらに、ショウガは夏の強い日差しが苦手で、地温が28℃を超えると育ちにくくなります。しかし、高さ1mほどに成長するナスが日よけとなることで、ショウガの生育が良くなります。
栽培方法
栽培方法について解説します。
栽培カレンダー
温暖地の栽培カレンダーになります。

ナス
- 品種
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千両二号
- メーカー
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タキイ種苗
- 選んだ理由
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この混植は品種を選ばないので、市場性が高い定番を選びました。
ショウガ
- 品種
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こちらも特に品種を選びません。
病気に強くポピュラーな品種
土づくり
土づくりは種まき、植付けの3週間前からおこないます。畝全体に完熟たい肥を3kg/m3、水はけの悪い土にはもみ殻を適量すき込みます。1週間ほど寝かせ微生物が活性化したところで有機石灰を200g/m3すき込みます。さらに1週間寝かせ、畝の外側付近にぼかし肥料400g/m3ほどすき込みます。
土壌の湿り気を保ち、寒さから保護するため黒マルチをはります。
種まき・植付け
ナスの種まき・植付け
ナスを種から育てる場合は、3月から準備を始めると5月に畑に植え付けができます。ただし、発芽には温度管理が重要です。気温や地温が低い時期は、温床やトンネルを活用しましょう。
また、ナスは「嫌光性種子」といって、光を感じると発芽しにくくなります。そのため、種まき後は新聞紙や段ボールをかぶせて暗くすることがポイントです。
初心者の方は、苗から育てるのがおすすめです。特に「接木苗」を選ぶと病気に強く育ちやすくなります。
ナスの苗は、植え付ける2~3時間前にポットごと水に浸し、十分に水を吸わせておきます。その後、水やりをせずに畝へ植え付けると、根が水を求めてしっかりと地中に伸び、丈夫に育ちます。
ショウガの植付け
ナスと相性の良いショウガは、一緒に植え付けると効果的です。植付けの2日前に、種ショウガが大きい場合は手で折り、50g程度の大きさに調整しましょう。折った部分は乾燥させ、さらに日光に2日ほど当てると発芽しやすくなります。
ショウガは深さ10cmの穴を掘り、芽を上向きにして植えます。発芽適温は15~30℃なので、気温が安定してから植え付けるのがポイントです。

追肥
ナスは2週間に1回、ぼかし肥料を一握りを土壌の表面全体に施します。
ぼかし肥料の作り方は過去記事を参考に
追肥用は、もみ殻を入れずにC/N比が低く調整します。
収穫と管理
ナスは、実った果実を順次収穫しますが、作りすぎると株が弱ってしまうため注意が必要です。
おすすめは、果実を収穫したら、生っていた枝の手前にある脇芽を残して枝を選定。その後、脇芽が育ち実を付けたら、また枝を選定と繰り返し収穫することで、1本の枝に複数の実を作らないことで収量をコントロールすることができます。
ショウガは霜が降りる前に掘り上げ、このタイミングでナスも片付けます。
栽培要点のまとめ
- ナスとショウガの混植は生育促進・病気予防・害虫忌避・空間利用に効果がある。
- 異なる養分を必要とするため、肥料の過剰被害が出にくい。
- ショウガの辛味成分が土壌の病原菌を減らし、ナスの病害リスクを軽減する。ナスはフキノメイガ、ショウガはアワノメイガの幼虫の被害を受けるが、混植により成虫の産卵が抑制される。
- ナスが日よけになり、ショウガの地温上昇を防ぎ、成長を助ける。
- 植付け3週間前から土づくりを行う。
- 黒マルチで湿度保持・防寒対策をする。
- ナスは嫌光性種子のため、発芽時に光を遮る必要がある。
- ナスの苗は植え付け前に水に浸して根張りを良くする。
- ショウガの発芽適温は15~30℃。種ショウガは50g程度に分割し、日光に2日ほど当てて発芽促進する。
- ショウガは深さ10cmに芽を上向きにして植え付ける。
- ナスは2週間に1回ぼかし肥料を施す。
- ナスは収穫しすぎると株が弱るため、「連続摘心」で収量をコントロールする。
- ショウガは霜が降りる前に掘り上げ、ナスと一緒に片付ける。
終わりに
ナスとショウガを一緒に育てることで、生育促進・病害虫対策・スペースの有効活用など、たくさんのメリットが得られます。ナスはしっかり根を張り、ショウガはその環境を活かして順調に成長。お互いの特性を活かした栽培方法で、手間を減らしながら元気な野菜を育てられます。
初めての方でも、ちょっとしたコツを押さえれば大丈夫!ぜひこの方法を試して、美味しいナスとショウガをたっぷり収穫してください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
少しでも参考になってもらえると嬉しいです。
参考文献
有機・無農薬のおいしい野菜づくり
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。
コンパニオンプランツの野菜づくり
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。
野菜が良く育つ コンパニオンプランツの極意
著者:竹内孝功
コンパニオンプランツの効果を最大限に引き出すには、「相性」「距離」「タイミング」の3つの要素が鍵となります。これらのポイントを、イラストをふんだんに活用してわかりやすく解説しています。特に、空間図解を用いたイラストは視覚的に非常に理解しやすく、初心者でもすぐに実践できる内容となっています。ぜひ手に取ってご覧ください!