トウモロコシ ｘ エダマメ 混植

はじめに

トウモロコシとエダマメ、一緒に育てるとお互いに良い影響を与え合うって知っていますか？

実はこの組み合わせ、成長を助けたり、害虫を遠ざけたりする効果があるんです！ でも、具体的にどんなメリットがあるのか、どうやって植えればいいのか気になりますよね。

この記事では、初心者の方にも分かりやすく、トウモロコシとエダマメの混植のポイントを丁寧に解説します。ぜひ最後まで読んで、あなたの家庭菜園にも取り入れてみてください！

こんな方に読んでもらいたい

効能

トウモロコシ と エダマメ の混植は、生育促進・害虫忌避に効果があります。

生育促進

エダマメはマメ科に属しているため、根に根粒菌という菌が共生します。

この菌は、空気中の窒素を土壌に固定。基本的にはエダマメの生育に用いられますが、一部が根から分離されたり、排出物として放出されることで土壌に流れ、土が肥大化します。

エダマメと混載することにより根粒菌は、トウモロコシの根にもつくようになり、リン酸分やミネラルなどを集めて供給してくれるようになります。

害虫忌避

トウモロコシが成長すると、茎の一番上に「雄穂（ゆうずい）」と呼ばれる部分が出てきます。これは花粉を出す部分で、ここに害虫の「アワノメイガ」が引き寄せられ集まります。アワノメイガは葉や茎に卵を産み、幼虫がふ化するとトウモロコシの中に入り込んで食べてしまいます。いったん入り込むと駆除が難しくなるので、できるだけ寄せ付けないことが大切です。

そこでオススメが、エダマメと一緒に植える（混植する）ことです。
エダマメにはアワノメイガを遠ざける効果があり、トウモロコシを守るのに役立ちます。

一方で、エダマメも「シロイチモジマダラメイガ」や「カメムシ」などの害虫に狙われますが、トウモロコシを混植すると、これらの害虫が寄り付きにくくなります。

つまり、トウモロコシとエダマメを一緒に育てることで、お互いの害虫を遠ざける効果があります。 ただし、「完全に防げるわけではない」ので、他の対策も組み合わせましょう。

害虫対策のポイント

栽培方法

栽培方法について解説します。

栽培カレンダー

温暖地の栽培カレンダーになります。

品種

トウモロコシはスイートコーン系なら品種は特に選びません。ポップコーン品種と合わせてまくと受粉時に交雑して味が落ちるので注意しましょう。

トウモロコシの品種

エダマメは極早生か早生品種がトウモロコシと合わせやすいです。エダマメは青豆、茶豆、黒豆がありますが、後になるほど晩生品種となります。栽培は、茶豆が東北地方、黒豆は関西地方がメインで栽培されています。

土づくり

土づくりは種まき、植付けの3週間前からおこないます。畝全体に完熟たい肥を3kg/ｍ3、水はけの悪い土にはもみ殻を適量すき込みます。1週間ほど寝かせ微生物が活性化したところで有機石灰を100g/m3すき込みます。さらに1週間寝かせ、畝の外側付近にぼかし肥料300g/m3ほどすき込みます。

エダマメは畝の中心で育てますが、窒素分の肥料が多いと根粒菌がうまく働かなくなります。
また、肥料過多になると、アブラムシ類、コガネムシ類の害虫が増えカメムシにも産卵されやすくなります。エダマメは、ボカシ肥料が効かないように畝の外側付近に離してすき込みましょう。

種まき・植付け

トウモロコシの春植えの場合は、茎の一番上に雄穂（ゆうずい）が開くと害虫のアワノメイガを引き寄せてしまうため、8～１０本のうち受粉のため１本だけ残し、それ以外は切り落とします。よって、それを考慮したポット数にしましょう。

トウモロコシはポットに3～5粒の種をまき育苗します。種を複数個まくことで発芽率を上げることができるためです。トウモロコシを春植えする際は寒さに弱いので、ビニールなどで囲い保温するようにしましょう。秋植えは直まきでも問題ありませんが鳥に食べられないように、寒冷紗などで保護します。

草丈10～20cmになるころ1本に間引きます。間引きは根を痛めないように株元をハサミで切りましょう。

４月下旬～５月上旬、トウモロコシの本葉が4枚になったころ、植え付けをおこないますが、このタイミングでエダマメの種まきをおこないます。種は深さ2cmに3，4粒を点蒔きします。エダマメの種も鳥に狙われるので注意しましょう。

秋収穫のトウモロコシも、本葉が4枚のタイミングでエダマメの種まきをおこないます。

間引き

エダマメが発芽し、本葉が開くころに2本立ちに間引きます。2本立ちで育てると株同士が協力し合うため病害虫に強くなります。

追肥

必要なし

土寄せ

トウモロコシは株元に枝根がでてきたら土寄せをおこないます。脇芽はカットすると株が倒れやすくなるため、そのまま残しておきます。

エダマメは間引きをおこなった後と、草丈30cmくらいのタイミングで土寄せをおこないましょう。土寄せをおこなうと不定根がでて育ちが良くなり、倒伏（とうふく）も防ぐことができます。

管理

トウモロコシは、一株に実が1～3本でてきますが、大きく育てるためには基本的には一番上の1本以外は早めに取り除きます。このとき、幹を痛めないように丁寧に取り除きましょう。取り除いた実はヤングコーンとして食べることができます。樹勢の強い株の場合は、2果取りができることもある様です。

先に述べたように、トウモロコシは雄穂が出てくるとアワノメイガが寄ってくるため、８～10本中1本以外は切り落としましょう。実から絹糸（白い糸のようなもの）がでてきたら、残りの雄穂を切り取って、受粉をおこないます。受粉がうまくいかないと実が歯抜けになることがあります。

トウモロコシは収穫までの間、雌穂は虫や鳥、獣に狙われるため網を張りましょう。トウモロコシ全体を網で覆う場合は、上面が開いてしまうので釣り糸を格子状に張り鳥から守ります。お手軽にすませるならば、雌穂に専用の網を被せて守ります。

全体を覆うタイプの網はこちら

雌穂に被せるタイプはこちら

エダマメは枝の根元に小さな花を咲かせます。この時期に水分が不足すると、莢（さや）がしっかり膨らまなくなってしまいます。エダマメの花はとても小さく、気づきにくいので、よく観察することが大切です。また、土の乾燥を防ぐために、草マルチなどを活用すると効果的です。

収穫

トウモロコシの絹糸が茶色く枯れたようになったら収穫の合図です。「倒れにくいゴールドラッシュ」は種まきから９０日が収穫目安ですが、気温が高いほど実が熟するのが早くなります。

トウモロコシは朝いちばんでに収穫しましょう。
なぜなら、昼に光合成した養分を糖分に変えます。そして、夜になると糖分を実に貯える働きをするため朝が一番甘くなるのです。

エダマメは莢が膨らんだら黄化する前に株ごと引き抜くか、熟した順に鞘をもぎ取ります。

終わりに

トウモロコシとエダマメの混植は、お互いの成長を助け合い、害虫を遠ざけるメリットがある、とても相性の良い組み合わせです。エダマメの根粒菌が土を豊かにし、トウモロコシの生育を促進。また、害虫対策としても効果的で、トウモロコシはエダマメを、エダマメはトウモロコシを守る役割を果たします。

ただし、完全に害虫を防げるわけではないので、適切な管理や他の対策も組み合わせることが大切です。特に、トウモロコシの雄穂の管理や適量の施肥、土寄せなどのポイントを押さえて、元気な野菜を育てましょう。

トウモロコシとエダマメを一緒に育てれば、育ちの良さを実感できるだけでなく、収穫したての甘いトウモロコシとホクホクのエダマメを楽しむことができます。家庭菜園での栽培をぜひ試してみてくださいね！

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

少しでも参考になってもらえると嬉しいです。

参考文献

有機・無農薬のおいしい野菜づくり
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。

コンパニオンプランツの野菜づくり
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。

農薬に頼らない病害虫対策
科目別 ＆ 野菜別で、病害虫対策が記載されています。写真もふんだんに使われていてトラブル時に調べるのに重宝します。手元に置いておきたい一冊です。

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