はじめに
タマネギは栽培期間が長い野菜です。9月に種まきをおこなって11月に苗植付け、収穫は品種によりますが6月になります。栽培期間が長いと、それだけ害虫や気温、病気による被害などトブルがつきものです。
そんなタマネギですが、クリムソンクローバーと混栽することでタマネギを助けてくれます。害虫対策としてテントウムシを呼び込んだり、クリムゾンクローバーが畝を覆うので、霜によるタマネギの浮き上がりも抑えることができます。また、クリムゾンクローバーがマメ科なので土を肥大させることからタマネギの玉が大きく育ちます。
クリムソンクローバーとは
基本情報
科名属名 | マメ科シャジクソウ属(トリフォリウム属) |
別名 | ベニバナツメクサ、ストロベリーキャンドル、ストロベリートーチ |
原産国 | ヨーロッパ |
草丈 | 15~40cm(品種により100cmになる) |
まき時 | 9~10月 |
開花期 | 4月下旬~6月 |
生育温度 | 13~18℃ |
クリムソンクローバーは、真っ赤な花を咲かせるため、ストロベリーキャンドルやストロベリートーチと呼ばれます。本来、多年草のクリムソンクローバーですが、高温多湿に弱いため日本では一年草として扱われています。
効能
生育促進
クリムソンクローバーはマメ科の植物で、根に根粒菌がついています。この根粒菌の影響で、空気中の窒素を固定して土を肥大にします。タマネギはこの養分を利用して玉を大きくします。
また、クリムソンクローバーが地表を覆うことで、タマネギが霜で浮き上がるのを防いでくれる効果もあります。
害虫忌避
クリムソンクローバーの柔らかい葉は、害虫であるアブラムシが付きやすい特徴があります。このアブラムシをj捕食するためテントウムシなどが集まり、それら益虫の住みかに変わっていきます。タマネギにも、ネギアブラムシという害虫が付くことがありますが、こちらもテントウムシが退治してくれるのです。
それ以外の効能
3月になるとクリムソンクローバーが急激に成長するため、畝に雑草が生えるのを抑制してくれます。
育て方
混栽カレンダー
中間地、暖地のカレンダーになります。品種により異なるので参考にしてください。
品種選び
タマネギ、クリムソンクローバー共に品種を選びません。
タマネギは、早生、中生、晩生とあり、種類によって栽培期間や貯蔵可能期間が異なります。
貯蔵可能期間は下表を参考にしてください。
早生 | 中生 | 晩生 |
---|---|---|
8月上旬まで | 年内まで | 翌2月末まで |
タマネギ種まき
畑の一角に直まき、またはセルトレイ・ポットを利用して種まきをします。種まき後は、土をしっかり鎮圧し乾燥させないように注意します。また、タマネギは嫌光性種子なので種が浅すぎると光を感じて発芽しなくなります。
土づくり
植付け3週間前に、完熟たい肥 2kg/m2 と米ぬかまたは発酵鶏ふん 300g/m2 を施す。必要に応じて、石灰で土壌を中和する。
タマネギ苗植付け クリムソンクローバー種まき
タマネギの苗は草丈15cm程度で植え付けます。あまり早い時期に植付けをおこなうと、とう立ちしてしまうので注意します。植付けは、条間15cm、株間10~15cmおこないます。その後、畝にクリムソンクローバーの種をばらまきし、土になじませます。
追肥
クリムソンクローバーが土を肥大にするため、追肥の必要ありません。
クリムソンクローバーの刈り取り
クリムソンクローバー5月中旬になると種をつけて、こぼれ種で雑草化してしまうことがあるので、その前に刈り取ります。刈り取った地上部はそのまま敷き詰めて草肥として利用します。
種取りをおこなう場合は、必要な量残しておきましょう。
収穫
タマネギに養分を送り込んだ葉が、畝全体の8割程度倒れたら収穫をおこないます。
まとめ
タマネギxクリムソンクローバー混栽のおさらいをすると
- タマネギの生育をクリムソンクローバーがサポートする
- クリムソンクローバーはマメ科なので根粒菌で土を肥大にするためタマネギが大きく育つ
- クリムソンクローバーが益虫てんとう虫を呼び寄せる
- 霜でタマネギが浮き上がるのをクリムソンクローバーが防ぐ
- クリムソンクローバーで畝を覆うので雑草が生えない
- タマネギ苗の植付け時に、クリムソンクローバーの種をばらまきする
以上、参考にしてもらえたら嬉しいです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
参考文献
タキイのタマネギ栽培マニュアル | 野菜栽培マニュアル | 調べる | タキイ種苗株式会社 (takii.co.jp)
【プロが監修】失敗しないストロベリーキャンドルの育て方を伝授 (sc-engei.co.jp)
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