ブドウ x オオバコ 混栽

コンパニオンプランツ

はじめに

ブドウは温帯の農作物で、日当たりが良く、水はけも良い土地を好みます。ただし、日本は梅雨があり湿度が高い時期があり病気になりやすくなります。

ここで、「オオバコ」が登場です。ブドウ x オオバコを混栽することで病気を予防する効果があります。

こんな方に読んでもらいたい
  • オオバコとはどんな植物なのか知りたい
  • ブドウxオオバコを混栽するメリットを知りたい
  • ブドウとオオバコをどのように栽培するのか知りたい

オオバコとは

オオバコは、オオバコ科オオバコ属の多年草です。
和名は葉が大きいから「大葉子」と名付けられたと一般には言われているそうです。漢字で見ると覚えやすいと思います。

このオオバコ。皆さん見たことがあると思います。日当たりが良く、人が良く通り良く踏みつける場所に生えている雑草です。私がよく見るのは、空き地やグランド、学校の校庭や道端などが多く生えています。ただし、川沿いの土手など、イネ科の植物がたくさん生えているような場所ですと、背丈が低いオオバコは生息できないようです。

道端で人が踏みつける場所

固い土でコンクリートの間からも

食用

オオバコは、3月~8月までで、花がつく前に葉っぱを収穫して食べることができます。葉っぱは、湯がいてから水にさらすことで、コマツナに近い味がします。また、葉っぱを乾燥させるとオオバコ茶として飲むこともできます。

生薬

オオバコは、種子、全草を煎じて用いることで、咳止め、たんきり、下痢止め、消炎、むくみ、利尿に効用があるとされています。また、漢方にも配合されているものもあります。
雑草だからと侮れないポテンシャルの高いの植物ですね。

病気の治療中で薬を服用している方は、薬の吸収を阻害する可能性があるため、医師・薬剤師に相談してから使用してください。冷え性の人や妊娠中・授乳中の方は使用しないほうが良いとされています。

混栽の効能

混植病気予防害虫忌避生育促進空間利用
ブドウ x オオバコ

ブドウはコーサカス地方や地中管沿岸など乾燥した地域で栽培していた果樹なので、日本の高温多湿が得意ではありません。特に梅雨時期が苦手で、葉に白い粉上のカビが付くうどん粉病になりやすいです。

うどん粉病にかかると、光合成の効率が下がってしまい木の成長が衰えてしまいます。そして、果房にまで発生し傷んで熟さなくなります。

もし、ブドウの株元や棚下にオオバコが生えているようなら、そのままにします。オオバコもうどん粉病にかかりやすいでが、細菌の種類が異なるため、ブドウに移ることはないと、木嶋利男先生が述べられています。オオバコのうどん粉病には、寄生して分解する菌寄生菌(きんきせいきん)が増えていきます。この菌寄生菌が、ブドウのうどん粉病にも寄与し被害を抑えてくれるのです

この現象は樹木では、リンゴにも効果があります。野菜では、イチゴ、カボチャ、キュウリ、スイカ、トマトにも応用できます。

オオバコが生えていない地域では、緑肥で知られるエンバクや大麦もうどん粉病が発症しやすいので同様の効果があります。春蒔きすれば、穂が出ずに背を低めにしたまま管理することが可能です。また、秋には枯れて有機物となり土壌の糧となります。

育て方

ブドウの栽培

ブドウは日当たりが良く、水はけが良い場所を選びます。腐葉土を鋤きこみ高畝にして水はけを良くしてから植付けをおこないます。植付け後、主枝を50cmで切り側枝(そくし)を伸ばします。

伸びできた枝を棚に誘引します。棚の上で側枝が伸びてきたら数本選んで配置します。
2年目の冬には主枝を切り戻します。上向きの芽が伸び出来たらカットし、その他の芽を伸ばして新梢(しんしょう)とします。
3年目以降は、去年伸びた枝を、5~8節でカットします。それぞれの芽から伸びた枝に果実が実ります。

5月に開花し始めたら、養分の分散を防ぎ、養分を残した花に集中させるため、花切り作業をおこないます。
6月には1本の結果枝に1果房とするための摘房(てきぼう)作業をおこないます。ブドウが大きくなってきたら、高温障害と雨から果実を守るために、笠掛け、または紙で作られた袋をブドウにかける作業をおこないます。紙で作られた袋は害虫や鳥からブドウを守ってくれます。

ブドウが色づいて完熟したら収穫します。

追肥は、2月に寒肥として油かすや有機肥料を施します。6月と9月は、ぼかし肥を施します。

オオバコの栽培

オオバコが自然に生えるのなら、そのまま残します。初夏から夏の終わりにかけて長い穂を出し種をつけます。この種を採取しておいて、ブドウの根元や棚下に蒔いて混栽します。

まとめ

ブドウとオオバコを混栽することで、うどん粉病を予防できることができます。また、雑草だと軽視していた(私だけかもしれませんが)オオバコですが、生薬や漢方、食用としても利用されているポテンシャルの高い薬草です。ぜひ、ブドウ x オオバコのコンパニオンプランツを試していただけたら幸いです。

最後まで、ご覧いただき誠にありがとうございました。

参考文献

坂上ぶどう園 | ぶどうができるまで (s-budouen.jp)

オオバコ – Wikipedia



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