フカフカ土になる!正しい石灰のまき方

栽培の基本

はじめに

植物を栽培している方で、種まきや植付け前になんとなく石灰をまいていませんか。石灰は土の酸度を中和するためにまきますが、まき方を間違えると土を痛める原因になります。土が悪いと植物も健やかに育たなくなります。今回はそんな石灰について記事を書きました。

本記事は、カーメン君ガーデンチャンネル『石灰の最も効率的な使い方教えます。』を参考にさせて書いています。とても分かりやすく、かみ砕いて説明してもらえるので楽しく拝見させいただいています。園芸を楽しみたい方は必見です。

【違う違う違う】石灰の最も効果的な使い方教えます。  【カーメン君】【園芸】【ガーデニング】【初心者】 (youtube.com)

こんな方に読んでほしい
  • 土に石灰をまく理由がわからない
  • 石灰と堆肥をまぜる相乗効果を知りたい
  • 石灰の種類を知りたい
  • 石灰・堆肥・肥料をまく順番を知りたい
  • フカフカな土にしたい

畑の土に石灰をまく理由

まず、知っておきたい前提条件として、植物の9割くらいは、弱酸性~約中性の土壌が一番健やかに育ちます。
しかし、日本の土壌は段々酸性に変わっていくため、酸性濃度を中和するために石灰は必要です。

土壌が酸性になる理由

日本の土壌は時間により酸性に変わっていきます。理由としては以下の3点があります。

  1. 日本は雨が多く土のアルカリ成分を流してしまうため
  2. 雨自体が弱酸性なため
  3. 化学肥料を使いすぎると塩分濃度が上がり酸性に傾いていくため

堆肥を入れてから石灰を混ぜる

強アルカリ性の石灰を酸性の土に混ぜることで、酸性→中性→アルカリ性に酸性濃度が変わっていきます。ただし、固い土にまくと、石灰が浸透せず、酸性濃度がまばらになり土を痛めてしまいます。
土が固いと石灰が浸透しないため、堆肥を土に混ぜておくことで土が柔らかくなり石灰が浸透しやすい状態を作ることができます。

堆肥とセットで石灰をまく理由

土に堆肥を入れてから石灰を撒いたほうが良い3つ理由

  1. 微生物がいないと効果を発揮しない
  2. 堆肥を混ぜると土壌構造が改善し石灰がききやすくなる
  3. 相乗効果でお互いの効果がたかまる

堆肥にも種類がありますが、微生物を増やすためには、養分を含んだ牛ふん堆肥がおすすめです。
バーグ堆肥や腐葉土でも土が団粒構造になりますが、微生物を増やす目的では、養分を多く含んでいる牛ふん堆肥が優位となります。

微生物がいないと効果を発揮しない

微生物がいない土は、手でつまんでも崩れないくらい固まっています。逆に微生物がいる土はフカフカしているので、石灰が浸透しやすくなります。
微生物は植物からみて、善玉菌と悪玉菌があり、極端に酸性やアルカリ性に酸度が傾くと悪玉菌が増えてしまいます。石灰を使って土壌を弱酸性~約中性にすることで善玉菌を増やすことができます。

堆肥を混ぜると土壌構造が改善し石灰がききやすくなる

堆肥を混ぜると、固くなっている土の間に堆肥が入り、空間できます。この空間により水や空気を通しやすい状態にします。

相乗効果でお互いの効果が高まる

フカフカの土は水や空気が供給されるため、石灰をまき土壌酸度が改善すると善玉菌が増えます。また、土をよりフカフカにして、土壌酸度も、まばらにならなくなる特徴があります。
逆に、固い土の場合は、水や空気が供給されないため、微生物があまり増えません。石灰も広がらず、その場で固まってしまうため、さらに土は固くなります。また、部分的に偏ってアルカリ性になるため悪玉菌が増え、土を傷めてしまいます。

石灰の種類

植物を育てるための3大栄養素は、窒素、リン酸、カリウムですが、5大栄養素は、3大栄養素 + カルシウム、マグネシウムです。石灰は、5大栄養素のカルシウムを多く含んでいるのが特徴です。
カルシウムは、組織が強くなることで病害虫に強くなります。茎がしっかり立つようになることでも知られています。
マグネシウムは、植物の緑色を濃くする働きをします。これにより、光合成の効率を上げることができるため健やかに育つようになります。

●消石灰 アルカリ分(70%程度)
アルカリ分が高いため、広い面積にまけるためコスト安い。また、酸度濃度が偏りやすいので中級者以上向け。色は白で、まいた量が目視で確認しやすい。粉で販売されていることが多い。風が強い日は舞い上がってしまう。散布後、2週間程度植えつけ不可。

●苦土石灰 アルカリ分(55%程度)
アルカリ分は消石灰より低いが、5大栄養素の苦土=マグネシウムを含んでいる。粒で販売されていることが多い。粒は風が強い日でも舞い上がらないためまきやすい。色はグレーなのでまいた量が見ずらい。散布後、1~2週間程度植えつけ不可。

●有機石灰 アルカリ分(35%程度)
アルカリ分が弱いが、天然ミネラル豊富で栄養が豊富に含まれている。苦土も含まれている。散布後、すぐに植付けできるのが特徴。コストは割高。酸性濃度が偏りにくいので初心者におすすめ。

石灰のまき方

石灰をまくには、堆肥、肥料を合わせてまきますが、まく順番が大切になります。
まく順序は以下となります。

まく順序理由
堆肥  堆肥をまき、スコップや備中鍬で土にすきこみます。微生物を増やし、土に隙間を開け団粒構造にすることで空気や水が通りやすくなります。
(堆肥は、牛ふん堆肥がおすすめで、腐葉土、バーグ堆肥等があります)
石灰堆肥を入れて1~2週間後に石灰をまきスコップや備中鍬で土にすきこみます。微生物パワーでさらに土がフカフカになります。
肥料消石灰の場合2週間
苦土石灰の場合1~2週間あけてから肥料をいれていきます。

スコップ

備中鍬

終わりに

微生物は、土の栄養を植物にわたす働きをします。堆肥をすきこんでから、石灰を入れることで微生物が効率よく働くため、肥料を削減できるメリットもあります。すきこむ順番で、こんなに効果が違うのかと目から鱗でした。

皆さんの園芸ライフに少しでも役に立つようでしたら幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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