我が家の菜園計画をご紹介します。
はじめに
この記事を書く上で、木嶋利男先生の『決定版 コンパニオンプランツの野菜づくり』、『決定版 有機・無農薬のおいしい野菜づくり』を参考にして計画を立てています。
木嶋利男先生の本は、野菜づくりの斬新な手法、科学的な根拠、楽しさが詰まっていて、読んでいてワクワクします。家庭菜園をされる方は、ぜひ手に取って、読んでもらえるとうれしいです。
各エリアごとに混植する野菜・花
菜園計画は、畝ごとのエリアに分けて行います。
エリア①(ナス、ピーマン、ニラ、ラッカセイ、パセリ、ナスタチウム)
ナスとピーマンをベースに考えます。病気予防のため、ナスとピーマンの根元にニラを植えます。ニラやネギなど、ネギ族の植物は根の表面に抗生物質を分泌する拮抗菌が共生しています。これを利用することで土壌病害を減らす働きをします。
ラッカセイは、根につく根粒菌の働きで、空気中の窒素が固定され土を肥大にし、ナス、ピーマンに養分を供給します。また、ラッカセイの根には菌根菌がつきやすく、リン酸やミネラルも供給します。ラッカセイは地面を這って育つためマルチ代わりになり水を保湿し、余分な水分は吸い取るため水分を一定に保ちます。
パセリは、ナスの葉っぱを日よけにして元気に育ち、こちらもマルチ代わりになります。
ナスタチウムは、ピーマンのバンカープランツ(おとり作物)として利用します。香りがアブラムシを忌避するほか、葉や茎につくハダニやスリップスなどを求めて天敵を呼び寄せます。その結果、ピーマンの害虫が少なくなります。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
ナス x ニラ | ✔ | ✔ | ||
ナス x ラッカセイ | ✔ | ✔ | ||
ナスxパセリ | ✔ | ✔ | ✔ | |
ピーマン x ニラ | ✔ | ✔ | ||
ピーマン x ラッカセイ | ✔ | ✔ | ||
ピーマン x ナスタチウム | ✔ |
植える時期
エリア②(トマト、ラッカセイ、ニラ)
トマトの根元にニラ、付近にラッカセイを植える効果は、ナスやピーマンと同様です。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
トマト x ラッカセイ | ✔ | ✔ | ||
トマト x ニラ | ✔ | ✔ |
植える時期
エリア③(ゴーヤ、ニラ)
ゴーヤの根元に、ニラを植えます。効果はナス、ピーマンと同様です。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
ゴーヤ x ニラ | ✔ | ✔ |
植える時期
エリア④(トウモロコシ、つるありインゲン)
植え付けたトウモロコシの間に、つるありインゲンをまくと、インゲンの発芽後、トウモロコシを支柱代わりに絡みついて伸びます。トウモロコシはよく肥料を吸収しますが、マメ科のインゲンは根に根粒菌が共生し、空気中の窒素を固定して肥料分に変え、土壌を肥大にするためトウモロコシの生育促進にもなります。
また、トウモロコシには、アワノメイガ、インゲンには、その近緑のフキノメイガが害虫としてつきますが、混植すると、どちらの被害も抑えられることが知られています。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
トウモロコシ x つるなしインゲン | ✔ | ✔ | ✔ |
植える時期
エリア⑤(オクラ、マリーゴールド)
オクラはセンチュウという寄生虫が根につく場合があります。センチュウは根に穴を開けて中に侵入します。その後、根腐れや、根にコブができる症状があらわれ、収穫量が減って最終的には枯れてしまいます。
そこで、マリーゴールドを混植すると、マリーゴールドの根から侵入したセンチュウに殺虫物質を分泌して殺傷する力があります。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
オクラ x マリーゴールド | ✔ | ✔ |
植える時期 オクラたねまき
エリア⑥(カブ、ニンジン、コマツナ、サニーレタス)
ニンジンと、カブまたはコマツナは、セリ科とアブラナ科のため、お互いの害虫を避けます。
コマツナと、サニーレタスは、アブラナ科とキク科のため、お互いの害虫を避けます。特にキク科はモンシロチョウやコナガが飛来しなくなりますので、アブラナ科のガードになります。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
カブ x ニンジン | ✔ | ✔ | ||
ニンジン x コマツナ | ✔ | ✔ | ||
コマツナ x サニーレタス | ✔ |
植える時期
エリア⑦(キュウリ、葉ネギ)
葉ネギの根に共生するバークホーデリア・グラジオリーという細菌が抗生物質を出し、土壌中の病原菌を減らすようです。ネギ化の混植がキュウリなどのウリ科、ナス科などにも効果があることが実証されています。
キュウリは浅根タイプなので、深根タイプのニラではなく同じ根域に根を広げる葉ネギを選択しています。
共生による効果
混植 | 病気予防 | 害虫忌避 | 生育促進 | 空間利用 |
---|---|---|---|---|
キュウリ x 葉ネギ | ✔ | ✔ |
植える時期
最後に
混植は植える時期がとても大事です。たとえば、トウモロコシと、つるなしインゲンですが、去年は同じタイミングで植えたところ、トウモロコシが育つ前にインゲンが巻き付きトウモロコシが枯れてしまいました。
『木嶋利男先生』の解説では、トウモロコシの葉が4枚のときにつるなしインゲンのタネを植えると丁度良いようです。
皆様も、植える時期には注意して混植を楽しんでもらえたらと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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