~微生物の力で土を変える!ぼかし肥料の魅力と簡単DIY~
はじめに
家庭菜園やガーデニングで、『最近、土の元気が足りない気がする…』と思ったことはありませんか? そんな悩みに応えるのが“ぼかし肥料”です。微生物の力を借りた有機肥料は、土を豊かにし、植物を元気に育てる強い味方! 材料費も安く、初心者でも簡単に作れるのが魅力です。
このページでは、もみ殻を使ったぼかし肥料の作り方や活用方法を分かりやすくご紹介します。さっそく手作りぼかし肥料で、土づくりに挑戦してみましょう!
ぼかし肥料とは
ぼかし肥料は、有機肥料を微生物の力で分解し、植物が吸収しやすい形にした肥料です。以下の特徴があります:
- 速効性:微生物による分解が進んでいるため、肥料効果がすぐに現れます。
- 応用の幅広さ:原料や配合を調整することで、元肥や追肥のどちらにも利用可能です。
原料例
- 米ぬか
- 油かす
- 魚粉
- 草木灰
組み合わせ次第で栄養バランスを調整可能です。
発酵の種類
ぼかし肥料の製造では、微生物の活動による「発酵」が欠かせません。発酵には以下の2種類があります:
1. 好気性発酵(空気を必要とする微生物)
- 特徴:適宜かき混ぜて空気を供給する必要があります。
- 微生物例:納豆菌、麹菌、放線菌、硝化細菌
- 発酵期間:2~4週間
- 完成の目安:
- 温度が上がらなくなる
- 色が黒っぽくなる
- 発酵臭がする(腐敗臭はNG)
2. 嫌気性発酵(空気を必要としない微生物)
- 特徴:空気を遮断すればかき混ぜる必要がありません。
- 微生物例:乳酸菌、酵母菌
- 発酵期間:2~3カ月(冬場は長くなる)
- 完成の目安:
- 白カビが生える
- 発酵臭がする(腐敗臭はNG)
注意点
未熟な状態でも使用できますが、有機物が多いと植物に有害なガスやアンモニアが発生する場合があります。
もみ殻ぼかし肥料の作り方
材料
- もみ殻:1kg
- もみ殻燻炭:0.5kg
- 米ぬか:1kg
- ヨーグルト:10~20g(発酵促進剤)
- 砂糖:10~20g(微生物のエサ)
- 水:適量
- 道具:桶、容器、ビニール袋
三大栄養素の割合は窒素1.5%、リン酸2.8%、カリ1.0%と理想的な山なりになります。
C/N値は21.1となるため元肥向きです。
手順
- ヨーグルト液を作る
容器にヨーグルト、砂糖、水を入れ、よく混ぜます - もみ殻、もみ殻燻炭、米ぬかを混ぜる
桶にもみ殻、もみ殻燻炭、米ぬかを入れ、均一に混ぜます - ヨーグルト液と水を加える
- ヨーグルト液を全体に行き渡るように注ぎます
- 水を1L程度追加し、湿り具合を調整します
- 米ぬかだけなら、握ると固まり、つまむと崩れる程度
- もみ殻入りの場合は、資材が7~8割湿っている状態
- ビニール袋に詰める
材料をビニール袋に入れ、空気を抜いて密閉します(ビニール袋は2重がおすすめ) - 発酵させる
- 暗所で2~3カ月発酵させます(冬は長めに)
- 発酵中、異臭がしないか確認します。白カビが出ていれば順調です。
完成後の保管方法
- 嫌気性発酵を継続する場合
- 使用分を取り出したら再び空気を抜き、密閉保管。
- 乾燥させて保管する場合
- 手順:
- 段ボールやブルーシートに広げ、風通しの良い日陰で乾燥。
- 乾燥中はハエが卵を産まないよう網を張ります。
- サラサラに乾燥したら蓋つきの容器で保管。
- 注意:乾燥中、風で飛ばされないよう注意します。
- 使用期限:半年以内に使い切るのがおすすめです。
- 手順:
補足情報
C/N比とは?
窒素(N)と炭素(C)の比率のことで、分解速度に影響します。
- C/N比が高い:分解が遅い → 元肥向き。
- C/N比が低い:分解が速い → 追肥向き。
最後に
今回は、ぼかし肥料の基礎知識と、もみ殻を使ったぼかし肥料の作り方をご紹介しました。ぼかし肥料は、土壌改良や植物の成長をサポートするだけでなく、家庭で簡単に作れるのが魅力です。 土づくりに微生物の力を取り入れて、植物がのびのび育つ環境を整えてみませんか? 今日からできるぼかし肥料作りに、ぜひチャレンジしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございます。
少しでもお役に立てたら嬉しいです。
参考文献
有機・無農薬のおいしい野菜づくり
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。
思わず何度も読み返してしまう一冊です。
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