ナス x ニラ 混植

コンパニオンプランツ



はじめに

ナスとニラは、共に育てることでお互いをサポートし、健康的な成長を促す理想的なコンパニオンプランツです。ナスは深い根で土壌の下層から養分を吸収し、ニラは浅い根で上層の栄養を取り込みます。このため、栄養を競い合うことなく、両方の植物がうまく共存できます。

さらに、ニラの根には病原菌を抑制する細菌が共生しており、ナスの病気予防に役立ちます。また、ニラの強い臭いが害虫を遠ざけるため、ナスを守ります。これにより、ナスの健康な成長が促進され、より豊かな収穫が期待できるのです。

今回は、ナスとニラの混植によるメリットを紹介し、効果的な育て方をお伝えします。これからのガーデニングライフに役立つ情報をお届けしますので、ぜひご参考にしてください!

こんな方に読んでもらいたい!
  • ナスの栽培に興味がある方
  • コンパニオンプランツに興味がある初心者の方
  • 持続可能なガーデニングを実施したい方
  • 土壌環境を改善したい方
  • 自然な方法で病気や害虫を予防したい方

効能

ナス と ニラ の混植は、病気予防・害虫忌避に効果があります。

病気予防

ニラの根には、バークホーデリア・グラジオリーという拮抗菌が共生しています。この細菌は、土壌中の病原菌やウイルスを抑制する抗生物質を分泌し、次のような効果を発揮します:

  1. ナスの病気予防
    • ナスの半枯病疫病を予防する働きがあります。
    • 土壌中の病原菌を抑制し、病気の発生を減少させることができます。
  2. 連作障害の予防
    • 連作を続けると病原菌が蓄積しやすいですが、ニラの根に共生する拮抗菌は、それを防ぐ役割を果たします。

さらに、ニラの根からは**強力な有機酸(根酸)**が放出されます。この有機酸には次のような効果があります:

  • ミネラルの吸収を助ける
  • 土壌の微生物バランスを整える

これにより、土壌環境が改善され、ミミズが集まりやすくなります。ミミズの働きにより、未熟な有機物が分解され、団粒化が進みます。この結果、良質な土が作られ、作物の成長をサポートします。

ナスとニラ

害虫忌避

ナスの株元にニラを植えることで、ニラの強い臭いが害虫を遠ざける効果を発揮します。これにより、以下の害虫からナスを守ることができます:

  • アブラムシ
  • ハダニ
  • コナジラミ

これらの害虫は、ニラの臭いを嫌って近づきにくくなります。さらに、ニラにはモグラを遠ざける効果も期待できるため、地中で活動する害獣からも守られる可能性があります。

栽培方法

栽培方法について解説します。

栽培カレンダー

温暖地の栽培カレンダーになります。

品種:千両二号
メーカー:タキイ
選んだ理由:
一番有名で一番人気の定番ナスで、市場性も最も高く、日本で代表的な品種のため選定しました。

品種:大葉ニラ
メーカー:トーホク
選んだ理由:
Amazonで販売数が多い種を選定しました。

品種

ナス、ニラともに品種を選びません。

土づくり

ナスとニラを健康に育てるための土づくりは、植え付けの3週間前から始めるのが理想です。土壌を整えるために、以下の材料を施しましょう:

有機石灰:200g/m²

完熟たい肥:3kg/m²

米ぬかまたは発酵鶏ふん:400g/m²

種まき・植付け

ナスとニラの混植:効果的な方法

ナスの栽培では、接ぎ木苗よりも自根苗の方が、ニラとの混植による病害抑制効果が高いことが分かっています。以下は具体的な植え付け方法と育て方のポイントです。

植え付け時のポイント
  1. ナスの根鉢にニラを密着させる
    ナスを植える際、根鉢の左右にニラを各3本ずつ密着させて植え付けます。この密着が、ニラとナスの根がうまく絡み合う鍵になります。
  2. 3年以上育ったニラを使用する場合
    長期間育ったニラは、根と地上部を10cm程度残してカットしましょう。こうすることで、新しい根が伸びてナスの根に絡みやすくなり、効果がさらに高まります。
種から育てる場合のコツ

ナスとニラを種から育てる場合は、同時に種を蒔くのが効果的です。

発芽直後から根が絡み合うため、互いに成長を助け合いやすくなります。

ナスとニラの種をそれぞれ2粒ずつ近くに蒔きます。

追肥

2週間に一回、ぼかし肥料を畝全体に一握り施します。

収穫

ナス:収穫しすぎに注意

ナスは実をつけすぎると、株が弱ってしまいます。そのため、収穫量をコントロールする「連続摘心」という方法がおすすめです。

  • 連続摘心の方法
    1. 果実を収穫した後、手前の脇芽の付け根に1枚の葉を残します。
    2. その位置で摘心(芽を摘むこと)を行いましょう。
      この作業を続けることで、ナスが側枝や脇芽に実をつけすぎるのを防ぎ、株が弱るのを防ぎます。
  • 摘心しないとどうなるの?
    摘心を怠ると、ナスは次々と新しい実をつけようとし、肥料が不足して株が疲れてしまいます。定期的な摘心が、元気な株を保つポイントです。

ニラ:適切な刈り取りで元気を維持

ニラは葉が伸びたら適切に収穫することで、長期間楽しめます。

収穫のタイミング
ニラの葉が伸びたら、地面から5cmほど残して刈り取ります。
秋になると花が咲きますが、花が咲く前に刈り取ることが重要です。花が咲くと、栄養が花に取られてしまい、株が弱ってしまうためです。

終わりに

コンパニオンプランツは、アレンジや代用をすることで、さらに手軽に楽しむことができます。たとえば、こんな代用方法があります:

  • ナスをピーマンやトマトに代える
    ナスが手に入らないときやスペースの都合で育てにくいときには、ピーマンやトマトを代わりに使うのもおすすめです。同じように植物同士を助け合える効果が期待できます。
  • ピーマンをシシトウやトウガラシにする
    ピーマンの代わりに、同じナス科の仲間であるシシトウやトウガラシを使うのも良い選択です。これらも似た働きをしてくれます。
  • トマトで病気予防
    トマトには「萎凋病(いちょうびょう)」という植物の病気を予防する効果があります。この特性を活かして、他の植物と組み合わせると安心です。

簡単な代用で、ガーデニングの幅を広げられます!育てやすい組み合わせを探して、ぜひ気軽に試してみてくださいね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

少しでも参考になってもらえると嬉しいです。

参考文献

有機・無農薬のおいしい野菜づくり
著者:木嶋利男
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。

コンパニオンプランツの野菜づくり
著者:木嶋利男
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。

農薬に頼らない病害虫対策
著者:木嶋利男
科目別 & 野菜別で、病害虫対策が記載されています。写真もふんだんに使われていてトラブル時に調べるのに重宝します。手元に置いておきたい一冊です。

野菜が良く育つ コンパニオンプランツの極意
著者:竹内孝功
コンパニオンプランツの効果を最大限に引き出すには、「相性」「距離」「タイミング」の3つの要素が鍵となります。これらのポイントを、イラストをふんだんに活用してわかりやすく解説しています。特に、空間図解を用いたイラストは視覚的に非常に理解しやすく、初心者でもすぐに実践できる内容となっています。ぜひ手に取ってご覧ください!




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