ナス x ラッカセイ 混裁

コンパニオンプランツ

はじめに

ナス科のナスと、マメ科のラッカセイはとても相性が良いです。

ラッカセイをナスの株元で栽培することで、ナスの肥料を抑えられること。また、お互いの育つ空間が違うためお互いの成長を邪魔しません。栽培時期がきれいに重なるのも魅力の一つです。

ナスとラッカセイの混裁、ぜひ試してみてください。

こんな方に読んでもらいたい
  • コンパニオンプランツに興味がある方
  • 有機栽培に興味がある方
  • 混裁することでの効能を知りたい方
  • 混栽する方法を知りたい方

効能

ナス と ラッカセイ の混裁は、成長促進・空間利用に効果があります。

成長促進

ラッカセイはマメ科に属しているため、根に根粒菌という菌が共生します。

この菌は、空気中の窒素を土壌に固定。基本的にはラッカセイの生育に用いられますが、一部が根から分離されたり、排出物として放出されることで土壌に流れ土が肥大化します。

ラッカセイと混載することにより根粒菌は、ナスの根にもつくようになり、リン酸分やミネラルなどを集めて供給してくれるようになります。

空間利用

ナスは、中高層の空間、ラッカセイは低層空間に育つため、お互いの邪魔をしません。また、夏から茎葉が横に広がり地面を覆うようになるため、マルチ代わりとなり土壌を保湿してくれます。

栽培方法

栽培方法について解説します。

栽培カレンダー

温暖地の栽培カレンダーになります。

品種:千両二号
メーカー:タキイ
選んだ理由:
一番有名で一番人気の定番ナスで、市場性も最も高く、日本で代表的な品種のためです。

品種:おおまさりネオ
メーカー:アタリヤ
選んだ理由:
一般的な品種で、入手性も良く、病気にも強いので育てやすいです。実も大きく食べ応えがあります。

品種

ナスをポットで植え付ける際は、接ぎ木苗を選ぶと強健に育ちます。ラッカセイは、ほふくする品種を選ぶと育てやすいです。

土づくり

植付け3週間前から土づくりをおこない、完熟たい肥3kg/m2、ぼかし肥料400g/m2、有機石灰200g/m2を施します。

ラッカセイが開花し、ツルが出るまでは黒マルチを張ったほうが管理がしやすいです。

種まき・植付け

ナスはポットに種を蒔き育苗をおこないますが、温度管理などが必要になるため苗から購入することをおすすめします。

植付け時は、ポットを水に2~3時間浸けておき、十分水を吸わせてから午前中に植え付け、水やりはおこないません。植付け直後に水やりをおこなうと、根はりが悪くなるためです。また、植え付け後、寒さにあてると株が弱るため、最低気温が20℃になるまでは、あんどん囲いをおこなうと安心です。

ラッカセイは、ナスの植え付けと同時か少し遅れてからポットに種をまいて育苗します。ポットに種を2粒づつ蒔き、発芽までは鳥に食べられないように網を張ります。

ラッカセイの根切り

ラッカセイは、根を2/3ほどカットして植え付けると、根が深く伸びずに横に広がるようになります。すると、地上部も横に広がるため、さやが付きやすくなり収量が増えます。

ラッカセイは、ナス同様にポットを水に浸けてから植え付けますが、根切をすると水を吸い上げにくくなっているため、たっぷり水やりをします。

管理

ナスの一番果は栄養を取られるため摘み取り、枝を選定して2本仕立てか、3本仕立てにします。必ず支柱は立て枝を誘引します。

ラッカセイに花が咲きツルが延び始めたら、敷いていたマルチを外してツルは地中に潜れるようにします。

土を被せたラッカセイ

ラッカセイは、枝が立っているとツルが地中に潜れないので、株元に土を被せます。そうすることで、強制的に地中に這わすことができるため実が付きやすくなります。
また、地面を覆うため、ナスのマルチになり土壌を保湿する役割を担ってくれます。

追肥

ナスの収穫が始まったら、生育のため2週間ごとにぼかし肥料を畝全体に一握りだけ施します。
ラッカセイは肥料を与えすぎるとツルボケするため、与えすぎには注意が必要です。

収穫

ナスは、実った果実を順次収穫しますが、作りすぎると株が弱ってしまうため注意が必要です。
おすすめは、果実を収穫したら、生っていた枝の手前にある脇芽を残して枝を選定。その後、脇芽が育ち実を付けたら、また枝を選定と繰り返し収穫することで、1本の枝に複数の実を作らないことで収量をコントロールすることができます。

ラッカセイは、花が咲いてから85~90日が収穫の目安になります。1週間前に試し掘りをして、実にしわがよっていたら収穫適期です。
収穫が遅れると、味も落ちてしまい害虫被害にあうリスクが増してしまうため適期を逃さないように気を付けます。

終わりに

応用として、ナスの代わりにトマト、ピーマン。ラッカセイの代わりに、ツルなしインゲンで代用できますので、試してみてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

少しでも参考になってもらえると嬉しいです。

参考文献

有機・無農薬のおいしい野菜づくり
 著者:木嶋利男
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。

コンパニオンプランツの野菜づくり
 著者:木嶋利男
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。

驚くほどよく育つ 野菜づくりの裏技 決定版
 著者:木嶋利男
野菜の特徴をフルに生かした正に裏技集です。他の本では決して知りえない技が記載されていて目からうろこの本です。科学的な根拠や、裏技のプロセス、メカニズム、実施手順がわかりやすいイラスト付きで紹介されています。野菜の収量が増えること間違いなしです。

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