はじめに
アブラナ科のキャベツと、マメ科のソラマメはとても相性が良いです。
ソラマメは根粒菌で土を肥大したり、益虫を呼び寄せることでキャベツの成長を助けます。
また、キャベツはソラマメの株元のスペースで栽培できるため、空間を有効に使うことができるので単純に収量を増やすことができます。
栽培時期が近いことも魅力で、次の野菜づくりのバトンタッチがスムーズにおこなえるのも魅力の一つになります。
ぜひ、試してみてください。
効能
キャベツ と ソラマメ の混裁は、成長促進・害虫忌避・空間利用に効果があります。
成長促進
ソラマメはマメ科なので根につく根粒員が共生し、空気中の窒素を固定して養分に変えるため、キャベツに施す肥料を少なくすることができます。
ソラマメを植え付け初期は、寒風や霜の影響で根付かないまま凍死することがあります。通常、防風ネットを張るか、ササの枝で風よけをおこないますが、キャベツを先に植えておくことで同様の効果があります。
害虫忌避
ソラマメはアブラムシが付きやすい特徴がありますが、天敵であるテントウムシなどを呼び寄せるため、キャベツの害虫被害が減ります。
空間利用
ソラマメは深く、キャベツは浅く根をはるため養分の競合がおきません。この特徴を生かし、ソラマメは株間50cmで植え付けるところ、60cmにすることで、株元にキャベツを植え付けることができます。
栽培方法
栽培方法について解説します。
栽培カレンダー
温暖地の栽培カレンダーになります。
品種:おてがるキャベツ
メーカー:サカタのタネ
選んだ理由:
秋まき春どりキャベツの代表的な品種であるため、トウ立ちしにくいため。また、植える時期がソラマメと合わせやすいためです。
品種:一寸そら豆
メーカー:サカタのタネ
選んだ理由:
そら豆は特に品種を選ばないため、お手頃で育てやすい品種を選びました。
土づくり
植付け3週間前から土づくりをおこない、完熟たい肥700g/m3、ぼかし肥料、または発酵鶏ふんを100g/m3、有機石灰、または蛎殻石灰を100g/m3施します。
種まき・植付け
ソラマメは樹高が高くなるのでキャベツと混裁する際も、畝は1条のほうが管理がしやすいです。
キャベツは9月下旬~10月上旬に苗づくりを始めます。10月下旬から11月上旬に植付けをおこないます。
ソラマメは、11月上旬~中旬に苗づくりを始め、11月下旬~12月上旬、本葉1.5枚ほどで植付けをおこないます。ソラマメの2週間前に、キャベツを植え付けることで、ソラマメを寒風や霜から守り凍死を防ぎます。
また、ソラマメは主根を1/3ほど切断して植え付けると、根が横に広り、わき芽が多く伸びるようになるため収量が増えます。
管理
キャベツは植付け3週間後に土寄せをおこないます。
冬になると、ヒナドリから守るため寒冷紗か、不織布で覆いましょう。
収穫
キャベツは、結球し頭の部分が固くなったら収穫します。
ソラマメはさやが十分に膨らみ、下を向き光沢がでたころが収穫目安になります。さやの背筋が黒褐色になり、豆のオハグロがわずかに黒く色づいた頃が収穫適期です。
終わりに
応用として、ブロッコリー、ケール、カリフラワーでキャベツの代用をすることができます。また、エンドウでソラマメの代用をすることもできますので試してみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
少しでも参考になってもらえると嬉しいです。
参考文献
有機・無農薬のおいしい野菜づくり
筆者が有機栽培をする きっかけになった本です。各野菜の栽培方法から始まり、有機栽培の基礎として土づくりの方法・たい肥やぼかし肥料の作り方・コンパニオンプランツなども掲載。思わず何度も読み返してしまう一冊です。
コンパニオンプランツの野菜づくり
沢山の植え合わせが記載されている「コンパニオンプランツ」の決定版です。木嶋利男先生の解説がわかりやすく、マネしたくなる技術が詰まっています。
基礎的なことはあまり記載されていないので、野菜づくりの応用編という感じです。何回読み返したかわかりません。オススメです。
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